田貫湖の一本桜を薄暗がりに浮かび上がらせる写真に仕上げたい

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田貫湖に一本桜なんてあったっけ?
朝霧高原の田貫湖は桜の撮影で良く知られており、カメラマンが開花の頃には沢山、訪れます。

でも、田貫湖の一本桜って聞いてすぐわかる人は少ないでしょう。
その様にあまり知られていない桜の撮影とRAW現像方法について記します。

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有名過ぎて知られていない田貫湖の一本桜

田貫湖にはちょっと珍しい桜があります。
湖面に枝が伸びている桜の木です。

湖面に枝が伸びている桜の木

湖面に伸びた枝の向こうに、富士山が見える絶好のロケーションにあります。

桜の枝の先に見える富士山

それ故、桜の枝越しに見える富士山を撮ろうとカメラマンに人気なのです。

この桜の木は根本で幹が3つに分かれていますが、根は一つ、つまり一本の桜の木です。

田貫湖の一本桜

隣に他の桜の木はありません。
つまり、一本桜です。

とても知られている桜の木なのですが、この桜が一本桜と認識している人は少ないでしょう。

 

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湖畔の一本桜を薄暗がりに浮かび上がらせたい

多くの一本桜は遠景から撮影される写真が多いです。
孤高の桜といった価値が感じられるからでしょう。

私は田貫湖という独特の空気感を活かして3つの要素を表現した写真が撮りたいと思いました。

  1. 薄暗い中に浮かび上がる一本桜
  2. 湖面に映る桜の色
  3. 未明の群青色

根元で3つ幹が出ている桜の木

 

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日の出直後の一本桜の撮影とRAW現像方法

実は以下に紹介する日の出後に撮影した一本桜の写真を見て、私は上の3つの要素を入れた写真を撮り直したいと思いました。
RAW現像してみるとなかなかいい写真に仕上がったのですが、欲が出たのでした。

 

一本桜の撮影の場所と時間

田貫湖では4月の第2週目辺りで桜が咲きます。
その頃の日の出の時刻は5時過ぎです。
富士山の向こうから日が昇るので、太陽が出るのは日の出の40~50分程後です。

日の出前の富士山

日の出前の明るさ空に広がった頃に、私は田貫湖に到着しました。

空は白んで来ていても、湖面にはまだ闇が残っていました。

まだ暗い湖面

私は一本桜の反対岸に三脚を出しました。
キャンプサイトに湖面に張り出して作られた広いデッキがあります。

そのデッキから対岸の一本桜を撮ろうというのです。

カメラを構えたデッキ

 

一本桜の撮影データと撮影方法

湖の向こうの一本桜を狙うのですから、シャッター速度を遅くして湖面をフラットにさせるつもりでした。

長秒撮影にはNDフィルターを装着する事になります。
私のカメラOM-1にはライブND機能が搭載されています。

NDフィルターを装着しなくとも、ND64までなら撮影出来るというのは、とても楽です。
長秒撮影が身近になり、撮影の幅が広がりました。

この日に撮影した写真の内、下の写真を選びました。
RAW現像すると見違えるほど、良い感じの写真になります。

日の出後の一本桜の写真

撮影データは以下の様になります。

シャッター速度 40秒
絞り値 22
ISO 80
焦点距離 80mm(フルサイズ換算160mm)
撮影時刻 6:15

使用したレンズは、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROです。

コンバーター、M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14を装着して使いました。

コンバーターとのセット

 

7つのマスクによるRAW現像

富士山から出た太陽が桜を照らしたので、明暗差が大きい写真になりました。
いい雰囲気が出ている背景にマッチする様に明るさをRAW現像で調整したいです。

明るさを上げたい部分

写真全体を操作するのではなく、私は7つのマスクを使ってRAW現像しました。

各々のマスクの主な調整内容は以下の様になります。

7つのマスクの主な操作内容

最終的に下の写真に仕上げました。
桜の木の存在感がある写真になりました。

桜の木の存在感を醸し出した写真

 

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田貫湖の静寂や薄暗さを撮る

一見、上はうまくまとまった写真に見えます。
でも、私が表現したかった写真ではありません。

朝の田貫湖の静けさや薄暗さが伝わる写真を撮りたかったのでした。

そこで再度、撮り直しに行って来ました。

5時前に撮影した田貫湖

日の出の1時間前に到着したら、ピントも合わせられない程、真っ暗でした。
しばらく待って5時前に撮影したのが上の写真です。

今回は標準ズームレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROで撮影しました。

湖面の静寂さや薄暗さを撮影するのに適していると思ったからです。
上の写真は40mm、フルサイズ換算80mmで撮影しました。

そして、下がRAW現像で仕上げた写真になります。

田貫湖の静けさや薄暗さを狙って撮影した写真のRAW現像後

 

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群青色に浮かぶ一本桜を撮る

上の写真では、確かにまだ闇が残っている朝の雰囲気があります。
長秒撮影により湖面に静けさが感じられます。

でも、今度は主題の桜が小さくなり過ぎていますね。

三度目の撮影をすることにしました。

3度目に行った時の未明の一本桜

今回も真っ暗でAFが効かない時刻に田貫湖に到着しました。

望遠ズームレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROを使いました。

そして、3度目の正直で仕上げたのが下の写真になります。
アスペクト比を変えただけで、RAW現像はせずに完成としました。

最終的に採用した田貫湖の一本桜の写真

当初、私が狙った下の3つの要素を織り込めた写真になりました。

  1. 薄暗い中に浮かび上がる一本桜
  2. 湖面に映る桜の色
  3. 未明の群青色

撮影データは以下の通りです。
OM-1のライブND機能を使い、長秒撮影しました。

シャッター速度 60秒
絞り値 5.6
ISO 80
焦点距離 79mm(フルサイズ換算158mm)
撮影時刻 5:01

 

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田貫湖に集まる人たち

私が撮影に行った3日間とも、誰も同じアングルから撮影しようという人はいませんでした。
その時間帯、田貫湖には人がいなかったのかというとそうではありません。

 

私の撮影を邪魔する人たち

実は私の撮影を邪魔する人がいました。
対岸の一本桜の根元には多くのカメラマンが集まっていたのでした。

ライトが写ってしまった写真

中には懐中電灯で桜を照らす人もいましたから、台無しになった写真も多かったです。

対岸の駐車場は車でいっぱいになっていました。
暗い中、来る車のヘッドライトがまた邪魔になりました。

対岸の駐車場の様子

きっと一本桜の下では、カメラマンが多くて撮影が困難だったのではないかと思います。
それで、未明から来て場所取りする人もいたことでしょう。

一本桜の下の人たち

私もこの一本桜の下で撮影を良くしているので、邪魔だなんて言えないのですが ・・・

 

ダブルダイヤモンド富士に集まる人たち

他の景勝地の一本桜と田貫湖では決定的に異なる点があります。

それはスーパースター、富士山の存在です。

4月の田貫湖では、富士山の頂に日の出が上がるダイヤモンド富士が見れる日があります。
桜よりもダイヤモンド富士を見ようと人が集まるのでした。

ダイヤモンド富士を撮影しようとする人たち

湖越しに見ると湖面に写る富士も見えるのでダブルダイヤモンド富士になるわけです。
だから多くの人たちが田貫湖に集結していたのでした。

ダイヤモンド富士を見ようとしている人たち

つまり、多くの人たちは富士山の方向を向いていたのでした。

湖面に突き出た桟橋からダイヤモンド富士を見ようとする人たち

私だけ、明後日の方向を向いて撮影していたことになります。
残念なことに私が行った3日間では、日の出が富士山の頂からではありませんでした。

桜の開花とダイヤモンド富士が同じ時期になるのは難しいみたいです。

富士山からの日の出

 

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