柔らかく優しい写真に仕上げる写真加工の機能を紹介します。
RAW現像においてもソフトな感じにしていく事が出来ます。

ここで紹介するのは、さらに高度な技です。
Photoshopを使えば、色々な事が出来るのでしょうが、写真愛好家にとっては操作が難しいのですよね。
写真加工ソフトはどちらかというと、クッキリした迫力のある画像にするのが得意です。
逆を言うと写真を優しくする機能が乏しい ・・・
Adobeは最たるものですね。
その様な中、Skylum社の写真加工ソフトには、Adobeにはない機能があります。
しかも、簡単操作で優しい写真に出来るというのは、本当にありがたいと私は思います。
どの様な機能があるのか、まとめてみました。
輝きを演出するソフトフォーカス
ソフトフォーカスフィルターをレンズに装着して、ポートレート、星空、花などを撮影したりしますね。
実は私はソフトフォーカスフィルターをレンズに付けるとピントを合わし難いので、苦手なのです。
パソコンで同じ効果を写真加工出来るのは、とても便利だと感じています。
Lightroomで花の写真をソフトに仕上げる方法
Lightroomでソフトフォーカスフィルターを使った様なRAW現像方法があります。
花の写真は優しく仕上げたいですね。
だから、このRAW現像の方法を知れば、草花の写真の定番になりますよ。
ポイントは明瞭度を下げる
下の図は明暗を示したものです。
明るさの違いがはっきりしていると印象が強くなります。
上の図の明瞭度を下げたのが下の図です。
明るくなればなる程、隣の明るさとの境がぼんやりして来ました。
ソフトな印象になったと思います。
優しく仕上げる場合は、明瞭度を下げるのが鉄板です。
Lightroomでの花の写真の定番 RAW現像方法
下の梅の花の写真を事例として、LightroomでのRAW現像方法を紹介します。
一旦くっきりさせてから引き算して、ソフトにしていくとやりやすいです。
手順は以下の通りになります。
- コントラストを+100まで上げる
- 黒レベル、シャドウを上げる
- 白レベル、ハイライトを下げる
- 明瞭度とかすみの除去を下げる
- 彩度を下げる
- コントラストを調整する
一旦、コントラストを+100まで上げると下の様な写真になります。
影の部分が暗くなり、色が濃くなりました。
上の様に、くっきりさせておいてこれからそれとは逆のコントラストを下げる操作をしていきます。
下の様に黒レベルとシャドウを上げて、白レベルとハイライトを上げました。
すると下の様な写真になりました。
そしていよいよ明瞭度を下げます。
今回は-100まで下げました。
かすみの除去と彩度も下げました。
そして最後に+100まで上げたコントラストを少し戻します。
それで最終的に下の写真になりました。
Photoshopで花の写真を簡単にソフトに変える方法
Photoshopで簡単に花をソフトな雰囲気に変える方法があります。
ブレンドモードのスクリーンを使う方法です。
例えば、下の赤いバラの写真をソフトな雰囲気に変えてみましょう。
手順は以下の通りです。
- 背景レイヤーをコピーして新しくレイヤーを作る
- ブレンドモードをスクリーンに変える
- 新しく出来たレイヤーにスマートフィルターをかける
- ガウスぼかしをかける
- 調整レイヤーのトーンカーブを作る
- トーンカーブのレイヤーのブレンドモードを輝度に変える
- トーンカーブを調整する
3つのレイヤーだけでソフトになる
レイヤー構成は以下の通りです。
新しく作ったレイヤーは2つだけです。
だから簡単にバラをソフトに出来ます。
ぼかしたバラの花を重ねてソフトにする
バラの写真をコピーして作ったレイヤー1をぼかします。
下はぼかした画像です。
レイヤーモードをスクリーンで重ねるのでバラが明るくなります。
※ Photoshopのレイヤーモードについては下記ページを参照して下さい。

トーンカーブで明るさを調整する
3つめのレイヤーのトーンカーブには2つポイントがあります。
- ブレンドモードは輝度を選択
- クリッピングマスク
クリッピングマスクにするには、トーンカーブの操作画面の下部のマークをクリックすれば出来ます。
バラの花のソフト具合を見ながら調整出来ます
トーンカーブの操作も、ガウスぼかしもどの程度がいいのかは、画面で変化を見ながら調整出来ます。
この様にしてソフトにしたバラの花は下の様な写真になりました。
ソフトフォーカスフィルターを使って撮影した様な写真になります。
夜景にソフトフォーカスを加える
このLuminar4には、ソフトフォーカスブライトという機能もあります。
より、明るさが増すので、夜景にこのソフトフォーカスブライトを加えると面白いです。
下の写真は夕暮れの東京駅周辺を撮影したものです。
HDR合成をしてダイナミックレンジで気持ちの良い写真に仕上げました。
この写真にLuminar4でソフトフォーカスブライトの効果をかけるます。
調整前 と 調整後を操作画面で比較出来ます。
それなので直感的に画像作りが出来るので、やり易いです。
夜景の光がにじみました。
少しの光の発散でも華やかな感じが加わるかと思います。
真っ直ぐに帰宅するのではなく、どこか寄り道したくなる
・・・そんな景色になりますね。
最もソフトになるオートン
写真を優しく、ソフトにしたい時、私が真っ先に試みたくなるのがオートン効果です。
私はWebサイト制作の折、画像を印象的に加工して入れ込みます。
でも、写真愛好家からするとかなり過度な写真加工になります。
オートン効果は、やり過ぎ感が少なく、写真愛好家でも受け入れられる効果だと思います。
オートン効果が過度の写真加工になり難い理由
オートンフィルターは輝きを加えるだけではありません。
同時に輪郭を強くしてくれます。
上に示した通り、グローが増すとソフトな感じになります。
輪郭がはっきりすると逆にクッキリした画像になります。
ソフトとクッキリの相反する効果をかけるのが、オートンフィルターです。
例えば下のぺんぺん草の写真
富士山を眺めている様な感じだったので、思わずシャッターを切りました。
でも、夕方だったので、印象が薄い写真になってしまいました。
この写真にLuminar4でオートン効果をかけてみました。
以下の項目を調整することが出来ます。
- ソフト
- 明るさ
- コントラスト
- 彩度
夕刻で富士山が暗かったので、明るさを上げてみたのが下の写真です。
ぺんぺん草がのどかに井戸端会議を開いて富士山を眺めている感じが出て来たと思います。
2つのオートン効果
Luminar4ならオートン効果を簡単にかけられるのがとても魅力です。
2種類のオートン効果がLuminar4にはあります。
下の植物で違いを見てみましょう。
なんか不思議な植物が目に留まってシャッターを切りました。
ぼかしが柔らかく、これだけでもとても優しく撮られていると自画自賛しています。
コントラストがあるオートン
オートン効果は上記の2つの相反する効果を及ぼすので、結果としてコントラストが強調されます。
でも、Luminar4では明るさやコントラストの変更が出来ますから、調整範囲が大きいです。
下の写真はクッキリと優しいを両立させた画像です。
元の画像と比較して、ほわっとした感じになったと思います。
明るさが平準化されたオートン
本来ならば明るい所と暗い所が出来るのがオートン効果なのでしょう。
でも、もう一つ、コントラストを平準化させて柔らかくさせたオートン効果がLuminar4にはあります。
どちらが良いか?
直感的にLuminar4なら選べます。
女性のポートレート写真で効果絶大のオートン効果
やっぱり、オートンフィルターが効果を発揮するのは、女性のポートレート写真でしょう。
まるでマジックの様な効果です。
だから、人物写真に関しては嘘偽りを作る効果と言えると思います。
例えば下の女性の写真
左に誰かいるのでしょうか?
目だけ向けていますよね。それが面白い表情です。
うぃうぃしい女性の写真です。
この写真にオートン効果をLuminar4で加えたのが下の写真です。
そばかす、シミがなくなり肌が明るくなりました。
より美人に見えます。
オートン効果を加えるだけで肌が綺麗になる!
オートンフィルターは最強のソフト・優しさ機能と言えると思います。
簡単操作で優しい写真加工が出来る、Luminar4はお薦めの写真加工ソフトです。
HDR合成でコントラストを弱めて優しくする
ローキーよりもハイキーの方が優しい印象があります。
写真に黒い影があると、クッキリした写真になりますね。
優しいソフトな印象とはかけ離れています。
HDRソフトのAurora HDRを使うとRAWデータさえあれば、一枚の写真からコントラストを抑えた画像を作れます。
例えば、下の写真
夜の池袋駅です。商業施設の入口が明るく、つい入りたくなる雰囲気についシャッターを切った写真です。
明暗がある画像です。
それをHDRソフトのAurora HDRを使うと下の様にコントラストが抑えられます。
また、細部が見易くなったと思います。
全体的に穏やかな写真になったと思います。
時と場合によっては、HDRソフトを使うと写真を見易くすることが出来ます。
優しく輝かせるグロー
HDR合成した写真をさらに優しくする機能が、HDRソフトのAurora HDRにあります。
グロー効果です。
下の写真の様に明るい部分に輝きを加えてくれます。
上のエントランスの写真にグロー効果を加えると、写真中央の明るい部分がふんわりとしました。
華やいだ雰囲気になったと思います。
ファンタジーな写真にするラディエンス
私個人的には、やり過ぎになってしまう気がするのですが、ラディエンスの効果は凄いです。
光をにじませる効果があります。
ファンタジーな写真にする事が出来るのですが ・・・
池袋のエントランスの写真にラディエンスの効果を加えると、下の様にコントラストが上がります。
以下の項目で調整することが出来るので、コントラストを和らげる事も出来ます。
- 滑らかさ
- 明るさ
- シャドー
- 鮮明度
- 温かみ
シャドーを持ち上げるとコントラストは緩和されます。
上の操作画面のヒストグラムと下の調整後のヒストグラムでは、山が中央に位置させることが出来ました。
温かみもプラス補正して仕上げたのが下の写真です。
グローと比べると変化は大きいです。
夢の世界の入口の様な写真になったと思います。
このラディエンス効果を富士山にかけたのが下の写真です。
マスクを使い富士山の頂きだけをにじませました。
冠雪が発光している様に見えると思います。
神々しくなった様でもありますが、ちょっとやり過ぎました。
エッジグロウが出るとやり過ぎです。
上の写真で言うと、富士山の稜線と青い空の境界辺りが白っぽくなるのがエッジグロウです。
エッジグロウなのか滲んでいるのか微妙な所です。
でも、滲みの効果は凄いです。
ラディエンスフィルターは使いたくなります。