本来はカメラで撮影した時に、玉ボケを狙ったのだけれども、残念に出来なかった。
・・・なんていう事は、写真撮影を趣味としている人ならかなりの頻度であるかと思います。
Photoshopを使うと玉ボケを加える事が出来ます。
直ぐに出来る玉ボケと背景を部分的にボケを加える方法をご紹介します。
※ 背景全体をぼかすPhotoshopの機能は下記のページで紹介しています。
あわせてご参照ください。

Photoshopで玉ボケを作る方法
写真撮影を趣味としている者にとって、まずはシャッターを切ることが優先されます。
後でどれだけぼかしを加えられるか、撮影時に分かっていると撮影し易いです。
Photoshopなら、玉ボケを加えることもできます。
ぼかしと玉ボケの作り方の概略を示します。
明るい部分をぼかして玉ボケにする方法
暗い所の明るい部分はPhotoshopで玉ボケにし易いです。
往々にして水辺は暗いです。
反射する光は明るいです。
だから下の様な釣りの写真は玉ボケを作りやすいです。
上の写真はこのままでいい感じだと思います。
寒さと日の眩しさ暖かさが感じられると思うのです。
でも、敢えて、玉ボケを加えて見ます。
Photoshopのぼかす機能で、ぼけた感じが玉になる様にします。
Photoshopで玉ボケを作る際に、気を付けなければならない点が一つあります。
明るすぎる玉ボケが出来やすいのです。
それで前もって、一点だけ明るい部分は修正しておく必要があります。
コピースタンプツールで上の様な明るい部分を無くしておきましょう。
ぼかしギャラリーを使って玉ボケを作っていきます。
チルトシフトを今回は使います。
今回は敢えて、出来るだけ大きな玉ボケを作ろうとしました。
それ故、ぼかし程度は最大にしました。
この写真は真横から撮影した写真なので、ぼかさない範囲は下の赤線の間に設定しました。
玉ボケの設定項目は以下の3つです。各々気を付けなければならない点を記しておきます。
- 光のぼけは上げ過ぎると明るすぎる玉ボケが出来るので注意
- ボケのカラーは自然光ではつけない方が無難
- 通常、光の範囲は狭める
そして、玉ボケを加えた写真は以下の様になります。
私には不自然に見えます。
チルトシフトは写真撮影に近い遠近法によるぼかし方です。
ここまで玉ボケを加える事が出来ますが、必ずしも良い方法ではないと私は考えています。
玉ボケは合成した方が自然に見える
カメラで撮影した様に玉ボケを作りたい。
そう思うと、Photoshopのぼかし機能を使いたくなります。
しかし、結果は上の様に不自然になりがちです。
だから、私は合成の方が良いと感じています。
例えば上の釣り人の写真
上の写真の少し前に湖畔を撮影したのが下の写真です。
玉ボケが綺麗だったのでシャッターを切りました。
この湖面に反射した光の玉ボケの写真を使いました。
少し拡大して下の画像にしました。
玉ボケ画像の合成の仕方はとても簡単です。
この玉ボケ画像を釣り人の写真の上に置き、下の様なレイヤーで合成しました。
結果、下の様に光の反射の玉ボケがマッチした写真になりました。
でも、本当は不自然な玉ボケの写り方です。
しかし、自然に見えます。
チルトシフトの玉ボケより、上の様な合成した前ボケの玉ボケの方がしっくり来ます。
日の眩しさが伝わって来ると思います。
私の結論は、初めに示しましたぼかしの機能を使うのではなく、
玉ボケを加えるには合成がベストの方法と考えています。
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明るい光がなくとも玉ボケをつくる
上の様に光の反射や光源があると玉ボケは作りやすいです。
それでは、明るい光がない場合の玉ボケはどう作るのか?
試みた事例を紹介します。
ぼかしギャラリーで光がなくとも玉ボケを作る
写真の中に反射などの光がない方が普通ですね。
下の写真の様に草花の写真は、被写体以外は煩雑に見えがちです。
だから、玉ボケにしてみたくなります。
今回はぼかしギャラリーの虹彩絞りぼかしを使って、玉ボケを作ってみようと思います。
光の範囲を広めにとり、玉ボケになる部分を多くします。
でも、なかなかこの設定が難しいです。
それでなんとか玉ボケを作ったのが下の写真です。
これでなかなかイイという方もいるのかもしれませんが、私は綺麗な玉ボケになっていないと感じます。
明るい部分がないとPhotoshopのぼかし機能では、玉ボケはなかなか難しいです。
明るい部分がなくとも、明るさの最大値で玉ボケを作る
下は麦畑の写真です。
この様な特に光が当たって明るい部分がなくとも、玉ボケを作ることができます。
ちょっと面白い写真になりますよ。
Photoshopの明るさの最大値の機能を使います。
明るさの最大値はフィルターのその他の中にあります。
保持を真円率にし、半径は画面を見て調整します。
下の様なパステル調の画像になりました。
レイヤーマスクを使い写真の下の部分だけ、明るさの最大値のフィルター効果を及ぼした画像が表示される様にします。
下の様な写真にしました。
下部はパステルカラーの玉ボケになっています。
露光量や彩度などを調整して、下の様な写真に仕上げました。
意外とマッチしている写真になったと思います。
元の写真と比べると、玉ボケがあった方が面白いです。
Nik Collectionで景色の一部を玉ボケにする方法
Nik Collectionという写真加工ソフトがあります。
LightroomやPhotoshopのフィルターとして使う事が出来ます。
Nik Collectionのピンぼけを作る機能が、なかなかイイです。
Photoshopのぼかしとは違った感じになります。
ぼけを玉ボケにする
下の花の写真は縦一列に並んでいるので、前後がぼけています。
この写真にNik Collectionのピンぼけ機能を施してみます。
PhotoshopのフィルターからNik Collectionを選びます。
Nik Collectionの中のアナログ写真風にするソフトを使います。
Photoshopのチルトシフトと同じ様な操作画面です。
ぼけを強めたら、玉ぼけが出て来ました。そして、明るさを調整して仕上げたのが下の写真です。
かなり違った雰囲気になったと思います。
ピントがあっているものを玉ボケにする
このNik Collectionのピンぼけ機能は玉ボケにし易いので、Photoshopのぼけより私は好きです。
下の写真は夕日に染まるススキの写真です。
これはこれで秋のいい感じが出ている写真だと思います。
上のススキをビンぼけさせて、色合いを調整したのが下の写真です。
別の雰囲気の写真にする事が出来たと思います。
マクロレンズならば、この様な被写界深度の浅い写真が撮れたのかもしれません。
大きな玉ボケを撮影したい
本当は不自然なのですが、違和感なく綺麗に思える下の玉ボケ写真
そもそも、この様な大きな玉ボケは実際に撮影できるものなのでしょうか?
写真加工から一旦離れて、大きな玉ボケが撮影できるものなのか、考察してみたいと思います。
玉ボケが撮影し易い3つの条件
夜、街灯などは玉ボケを撮影し易いですが、
自然の光の中で玉ボケを作ろうとすると、なかなか難しいですね。
玉ボケを撮影し易い条件というのがありそうですね。
まとめてみると以下の3つになるでしょう。
- 明るい色や光
- 暗い背景
- 大きな光源
木漏れ日と水辺の反射が玉ボケの狙い目
上の図の様に望遠レンズで玉ボケを大きく写すと明るさが薄まってしまいます。
だから光が強い程、大きく写すことが出来ます。
例えば、下の様な木漏れ日です。
6月の日差しは強く、明るい玉ボケになっています。
下の玉ボケは11月の木漏れ日です。
強い日差しでなくとも、木漏れ日は綺麗な玉ボケになります。
また、反射した光の玉ボケはキラキラしていますね。
川や湖などの水辺は玉ボケの狙い目です。
大きな玉ボケは実は小さい
大きな玉ボケを写真に入れたいです。
例えば下の写真は木漏れ日の玉ボケが大きく写りました。
でも、蜘蛛の大きさを比較してみると分かる通り、実際の玉ボケの大きさは小さいものです。
望遠レンズで撮影したから大きく写っているだけです。
この釣り人の写真の様に、人の頭の大きさ程もある玉ボケは、現実的には極めて難しいです。
くっきりした前ボケの撮影は難しい
さらに前ボケはしっかりした玉ボケにするのは難しいです。
下の様に背景は綺麗に玉ボケになっています。
前ボケはぼやっとした感じにはなりますが、形が玉にはなっていません。
レンズ近くの前ボケは玉ボケになり難い
前ボケを入れる為に、前ボケにしたいものにレンズを近づけて撮影したりしますね。
すると柔らかい色を手前に加える事が出来ます。
でも、綺麗な玉の形にはなり難いです。
レンズ近くの玉ボケは小さい
下の写真は手前に銀杏が玉ボケになています。
丁度、日差しが差し込んできて、銀杏の葉に反射した所があったのでした。
強い光程、玉ボケになり易いです。
でも、大きさを見て下さい。
レンズの近く故、拡大され難いのでしょう。
下の釣り人の合成写真の様にて前に大きな玉ボケを作るのは難しいです。
前ボケに大きく玉ボケを撮影する方法
それでは前ボケに大きい玉ボケを写すことが出来ます。
例えば下の玉ボケはレンズと被写体の真ん中辺りにあります。
8時頃に撮影しました。
太陽が低く逆光の位置で撮影すると玉ボケが出来やすいです。
下の桜の写真は、朝7時台に撮影しました。
手前にある桜が玉ボケになっています。
太陽が低いので光が届くからなのでしょう。
明るくなるので玉の様にぼけてくれるのです。
前ボケの玉ボケは朝が狙い目です。
Photoshopで簡単に前ボケに大きな玉ボケを加える方法
上記の様に、大きな玉ボケを前ボケで撮影するのは難しいです。
その上、Photoshopのぼかし機能で大きな玉ボケを作るのも難しいです。
そこで、玉ボケブラシという便利なツールがあります。
いとも簡単に大きな玉ボケを作ることができます。
玉ボケブラシの作り方は下記のページで紹介しています。
ご参考にして下さい。
参考 玉ボケブラシの作り方

下の様に写真のレイヤーの上に透明なレイヤーを作り、玉ボケをブラシで描くだけです。
玉ボケブラシには、玉ボケに見える様に描かれる設定をしておきます。
下の様に描かれます。
玉ボケを描いてまで入れた方が良いのか悪いのかは、人それぞれの判断ですね。
下記に6つ事例を紹介しておきますので、ご参考にして下さい。
イルミネーションに大きな玉ボケを描く
下は夜の東京駅の写真です。
新規レイヤーに玉ボケを描き、ブレンドモードをスクリーンにしました。
紅葉に冷たい感じの大きな玉ボケを描く
下の紅葉には雨粒が滴っています。
それなので冷たい感じが出る様に青系の色で玉ボケを描きました。
ブレンドモードはソフトライトで重ねました。
紅葉に紅葉の色の大きな玉ボケを描く
下は逆光で撮影したので、日が紅葉を透かし、暖かい色合いを出している写真です。
玉ボケを入れなくとも、このままで良い感じがしますが、下の様に大きな玉ボケをブラシで入れました。
紅葉と同じ色合いで描きました。
ブレンドモードはスクリーンに設定しました。
パステル調のエノコログサの写真に大きな玉ボケを描く
下のエノコログサの群生写真は鮮明な色ではなく、パステル調の大人しい感じです。
エノコログサと同じような黄色っぽい色で大きく玉ボケを描きました。
ブレンドモードはオーバーレイにしました。
小さい玉ボケが入っている夕日に輝くススキに大きな玉ボケを描く
下は後ろボケで玉ボケが入っている写真です。
日没間際に撮影しました。
ススキが夕日に照らされています。
夕日と同じオレンジ色に近い色で大きな玉ボケを描きました。
ブレンドモードはハードライトを使っています。
白飛びしている沈みかかった太陽に大きな玉ボケを描く
下は日没前の太陽を撮影したものです。
直接、太陽を撮影したので、明るい部分は白飛びしています。
同系色のオレンジ色で大きく玉ボケを描きました。
ブレンドモードはオーバーレイです。
ぼけの加え過ぎに注意しましょう
ここまで見て来たように、Photoshopを使うとかなりの部分でぼけを加える事が出来ます。
他の写真加工ソフトでも出来るのですが、不自然な画像になってしまうのですよね。
写真撮影を趣味とする者としては、断然、Photoshopです。
ぼけに関するPhotoshopの強みをまとめると以下の様になると思います。
- Photoshopには多彩なぼかし機能がある
- レイヤーマスクを使ってぼかしたい部分を指定出来る
- 部分を選択する多彩な機能がある
- Nik Collectionをフィルターとして使う事が出来る
手間をかければ、どこまでも出来てしまう感じがします。
やり過ぎてしまうと、写真撮影という枠を超えてしまうと思います。
どこまでぼかしや玉ボケを加えてもいいのかは個人の判断になるかと思います。
例えば下の滝の写真
望遠レンズで撮影しました。
望遠レンズの圧縮効果で人物と滝が近く見えますが、実際、そんなに離れていません。
それ故、ぼかす事は出来ませんでした。
それをPhotoshopでぼかしてみました。
人物と地面を選択し、それ以外の写真の大部分をぼかしました。
写真をぼかしたり、玉ボケを加えたりするのは、RAW現像ではありません。
それ故、写真撮影を趣味とする者にとって、上の様に大部分をPhotoshopでぼかしてしまうのは、逸脱する写真加工だという意見もあるでしょう。
私も同様な考えです。なんでもアリだと思っていません。
一部を写真撮影風にぼかすところまでが、許容範囲だと私は考えています。
※ 背景全体をぼかすPhotoshopの機能は下記のページで紹介しています。
あわせてご参照ください。
