紅葉の頃は景色が鮮明に見えます。
太陽の光がコントラストを強めるからなのでしょうか?
でも、実際、写真を撮ってみると、秋の空気感が上手く写っていなかったりします。
心を動かされた景色にRAW現像で再現した事例を紹介します。
精進湖湖畔の紅葉の景色
11月に山梨県の精進湖に撮影に訪れました。
精進湖の背後には山が迫って来ています。
見上げると、丁度、撮りたくなる景色でした。
日差しを浴びて紅葉が色濃く綺麗でした。
それ以上に、反対側は斜めに光が入り、影のグラデーションが目を引きましたよ。
秋の光の違いが集まっている様子に私は感動したのでした。
それを工夫して、構図にまとめて撮ったつもりでしたが ・・・
ところが、撮影した写真を見ると、その時の紅葉の見頃の空気感が全然、出ていません。
こういうことって風景写真には結構、ありますよね。
RAW現像で再現する鮮明な空気感
そこで、私がRAW現像で再現したいのは以下の3つです。
- 秋の鮮明な空気感
- 紅葉の色合い
- 綺麗な陰影のグラデーション
特に私が心を動かされたのが、右側の山の陰影の綺麗さです。
単にコントラストを上げても、下の様に私が見た陰影の濃さに近づきます。
しかし、上の様に黒つぶれが起きてしまいます。
この写真の場合、黒つぶれを起こさず、諧調をいい感じに出すのが、RAW現像の眼目になるでしょう。
参照ください。

Lighroomでの対照的なRAW現像
左右の山の違いの他にも、
この精進湖から撮った風景写真には大きく2つの対照的な要素があります。
- 湖面に浮かぶボートと存在感のある背景の山
- 左の色鮮やかな紅葉の山と右の陰影が濃い山
これらを再現するには、マスクを多用することになります。
私が施したLighroomでのRAW現像のポイントは以下の様になります。
あわせて参照下さい。

6つも多用したLighroomのマスク
今回、私はLighroomで6つもマスクを作りました。
マスクを使うと各部分にそれぞれ違った操作が出来るので、RAW現像し易くなります。
例えば、被写体であるボートは目立つ様にしたいです。
そこで、湖面とボートの明るさを調整するといったことが、マスクを使うと操作し易いです。
陰影の強調の仕方
諧調を出すのに、暗い部分を暗くすると黒つぶれしてしまいます。
それ故、明るい部分をさらに明るくして、コントラストを強調してみました。
その為、明るい部分に真逆の操作をしました。
- ハイライトを暗くする
- 白レベルを上げる
明るい部分の明度を上げるだけだと、白飛びしてしまいます。
そこで、ハイライトを下げることで、最も明るい部分の明度を上げ易くなります。
LighroomのRAW現像 Before and After
今回、Lightroomのマスクを駆使して、鮮明な紅葉の景色にRAW現像していきました。
RAW現像する前は下の写真でした。
少し青被りしています。
RAW現像の結果は以下になりました。
青味を抑え、色温度を上げました。
上の写真で完成としても良いのですが、Photoshopでさらにブラッシュアップをはかっていきました。
Photoshopで鮮明さをレベルアップさせる
Photoshopが難しく感じる人もいるかと思いますが、私が行った操作は簡単なものです。
以下のソフトやプラグインのおかげです。
- Nik Collection
- TK Lumunoisty Mask
Photoshopで鮮明さをレベルアップさせる操作の概要を以下に記します。
月々2000円程のフォトプランの申し込み方法
やはり、Photoshopを使うと良い写真に現像出来ます。月々2000円程のフォトプランなら、PhotoshopもLightroomも使えます。
まだ、使った事ないという方は、是非、試してみてください。
下記リンクよりご確認下さい。

Nik Collectionを活用する
Photoshopが立ち上がると、Nik Collectionのメニューが表示されます。
Nik Collectionは機能が豊富です。
今回は、画質を上げる機能とトーンマッピングを使いました。
Nik Collectionはレイヤーに追加して使うことが出来ます。
下はNik CollectionのHDR Efexでトーンを圧縮した画像です。
私はブレンドモードをソフトライトにして重ねました。
ソフトライトにするとコントラストがつきます。
トーン圧縮した画像なら、白飛びや黒つぶれがし難いです。
便利なTK Lumunoisty Mask
それでも、暗部は強調されるので、若干、暗くならない様にしたいです。
但し、最も暗くなった部分にだけ操作したいです。
そういう時に便利な無料のプラグインが、TK Lumunoisty Maskです。
上がTK Lumunoisty Maskのメニューです。
明るい部分と暗い部分、各々6段階に分けて指定が出来ます。
操作は簡単です。
下記動画で紹介されています。
※ TK Lumunoisty Mask は無料で使えるプラグインです。
私は最も暗い部分を指定して、暗部の明度を少し上げました。
Photoshopの仕上げの効果
さて、それでは、PhotoshopでのRAW現像の効果を確認してみましょう。
まずは、RAW現像する前の写真は下のものでした。
LighroomでRAW現像したら下の写真になりました。
そして最終的にPhotoshopで仕上げたのが下の写真になります。
RAW現像は写真がブラッシュアップしていくので面白いです。