玉ボケは木漏れ日を狙うと撮影出来ます。
木々の間に張られた蜘蛛の巣は玉ボケを入れた撮影の絶好の被写体です。
蜘蛛の巣が光り色が付きます。
その上、糸のシャープさと玉ボケの柔らかさを対比させることが出来ます。
蜘蛛は高温多湿の夏に巣を張ってくれやすいので、夏がねらい目です。
そこで私が撮影した下の写真は日が傾いた時刻に撮影したものです。
蜘蛛の巣の背景にある玉ボケはもう少し目立つように画像編集して行きたいです。
以下、この西日の玉ボケと蜘蛛の巣の写真を私がRAW現像した手順を以下にまとめます。
Lightroomで写真全体の明瞭度等を上げる
私は大概、写真加工はLightroomからスタートします。
今回、玉ボケも蜘蛛の巣も際立たせたいので、まず、写真全体の編集から様子を見ました。
- コントラストを上げる
- 明瞭度を上げる
- テキストを上げる
- 自然な彩度を上げる
これらの操作をしたのが下の写真です。
これで左側の玉ボケが多少、見やすくなりましたが、まだ物足りないです。
写真全体での加工ではここら辺りが限界なのでしょう。
部分的に写真加工をする
写真加工の楽しみは画像をどんどん追い込んでいく過程にあります。
部分的に画像を編集していくと、写真全体の印象は大きく変わっていきます。
今回、私はLightroomのマスクを以下の3つ作ってブラッシュアップして行きました。
※ Lightroomのマスクを使った部分修正の仕方については下のページでも紹介しています。
玉ボケの明瞭度とコントラストを上げる
写真上部は明るいので、それ以外の部分を線形グラデーションマスクで指定しました。
下の写真の赤い部分がマスクです。
玉ボケの明瞭度とコントラストを上げました。
※ コントラストの影響については下のページでも紹介しています。
ハイライトを抑え白飛びを避ける
この写真で一番気になるのは上部のハイライトの所です。
この後の操作で白飛びしてしまいそうです。
ブラシのマスクを使い下の様に部分指定しました。
露出を下げました。
蜘蛛の巣の彩度を上げる
西日に蜘蛛の巣が光っています。
部分的に光が屈折して色を帯びています。
そこがこの写真の面白いところです。
またブラシのマスクを使って色づいた糸の部分を指定しました。
コントラスト、彩度、明瞭度を上げました。
LightroomでのRAW現像の結果
写真はどこまで加工していいのか?
この判断は難しいです。
LightroomでのRAW現像の操作で終わりにする人もいるでしょう。
元は下の写真です。
それが、Lightroomで下の写真までブラッシュアップすることが出来ました。
Photoshopでさらに画像編集を続ける
Photoshopを使うと写真加工の幅が飛躍的に広がります。
だから画像編集の楽しみもさらに増しますね。
続けて、Lightroomから他のツールで編集を選び、Photoshopで作業を続けました。
ハイパスで蜘蛛の巣をくっきり浮かび上がらせる
Photoshopで写真をシャープにするにはいくつか方法があります。
その中の一つにハイパスを使う方法があります。
手順の概略は以下の通りです。
- 背景レイヤーをコピーしてレイヤー1を作る
- レイヤー1をスマートフィルター用に変換する
- フィルターの中のハイパスを選択する
- レイヤー1のブレンドモードをオーバーレイにする
このハイパスの効果は大きく、下の様に蜘蛛の巣がくっきりしました。
さらにレベル補正とトーンカーブで玉ボケも蜘蛛の巣をくっきりさせる
今度は明暗を調整して玉ボケも蜘蛛の巣も際立たせようと思います。
色々と手段がありますが、レベル補正調整レイヤーを使いました。
画像上部の明るい部分にはマスクをかけました。
そして出来た画像が下の物です。
トーンカーブでシャドー部分のコントラストを調整しました。
もう、これでかなりブラッシュアップ出来ました。
完成にして良い程です。
レンズフィルターで色を足す
光の屈折でついた蜘蛛の巣の色をもう少し分かり易くしたいです。
そこで色を加えて行こうと思います。
単に糸に色を塗ろうとしても、糸の周りにも色がのってしまいます。
そこでレンズフィルターを使うことにしました。
レンズフィルターの場合は明るい部分に色が付きやすいです。
この特徴を活かして、下の様に蜘蛛の糸の彩度を上げてみました。
本来ならば、ここまでブラッシュアップ出来たならば終了しても良いところでしょう。
ところが、この写真は面白い素材なので、もう少し粘ってみることにしました。
Nik Collectionを試してみる
ここまでPhotoshopでブラッシュアップしてくると次に何をしたらいいのかアイデアが浮かんできません。
そこで、Nik Collectionを試してみます。
Nik Collectionは写真加工の仕方を提案をしてくれる様な面白い機能があります。
だから、無駄でも試してみる価値があります。
そこで試して以下の写真に加工しました。
ちょっとグリーンが強すぎる感じがしたので、上の写真を採用せず、ハードライトで重ねて下の写真にしました。
月々2000円程のフォトプランの申し込み方法
やはり、Photoshopを使うと良い写真に現像出来ます。月々2000円程のフォトプランなら、PhotoshopもLightroomも使えます。
まだ、使った事ないという方は、是非、試してみてください。
下記リンクよりご確認下さい。
Lightroomで仕上げる
Photoshopでの画像編集が終わったらそれで完成ではありません。
Lightroomに戻り、最後、もうひとひねりするチャンスがあります。
とても重要な作業になります。
アスペクト比を変えてみました
アスペクト比を変えるクロッピングは、RAW現像の初めに行う場合が多いです。
また、今回の様に最後の最後に、もう一度考え直す場合もあります。
私は正方形の1対1のアスペクト比にして、蜘蛛を右の方に位置を変えてみました。
下はRAW現像を行う前の写真です。
そして下の様に写真を仕上げました。
撮影データ
オリンパス OM-D E-M5 Mark II
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14
f4.0 1/320 ISO320
210mm (35mm換算420mm)
Lightroomのプリセットを試してみる
結果的には上の写真を最終的な仕上げに私はしました。
でも、その前にLightroomのプリセットも試してみました。
Lightroomには多くのプリセットが標準でついていますね。
また、プリセットは自分で作れるし、誰かが作ったプリセットを追加登録することも出来ます。
※ Lightroomのプリセットについては下記ページで紹介しています。
プリセットは自分の視野を広げる為にも試してみる価値があります。
Adobe Exchageの無料プリセットを使う
無料のプリセットをAdobe Exchageからダウンロードすることも出来ます。
下はそこから無料で取得したプリセットを使った写真です。
インパクトのある写真になりました。
Lightroomの標準プリセットを使う
Lightroomにはいくつも標準のプリセットが登録されています。
下はその内の一つを使った写真です。
ソフトな印象にするプリセットです。
自分で作ったLightroomのプリセットを使う
自分でプリセットを作って置くことも出来ます。
下は私が作って置いたプリセットを使った写真です。
マゼンダやパープルが強いプリセットです。
Lightroomのプリセットの作り方は下の動画で紹介しています。